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D-28 リペア! [Martin]

D28がリペアから帰ってきました。

メニューは,ネックリセット,フレットバリ取り,サドル加工,トップ割れ補修,ピックガード交換など。3か月ほど預けてました。

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ケースを開けた瞬間,フレットが真っ直ぐに直っているのが分かりました。
ピックガードも予定通りです。

「ガツンと鳴らせてみますか」と思って弾いてみることに。
しかし,音がしょぼくて・・・
思わずJ45を出して音比べをしてしまいましたが,かなりJに負けてました。

そう言えば「手術後は音が出ないって何かに書いてあったな」と思い出しました。
そして,毎日少しずつ音出しをすることに。

そして3日目くらいから音が出るようになり,現在ではしっかりキレイな音に。
やはりアコースティックな楽器です。

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ある音楽事務所の社長にも弾いてもらいましたが「かなり良くなったなぁ」と言ってもらいました。
それから「どこで,これだけのリペアができたの」と聞かれました。
リペアしたいけれど,できるところを知らないという人は結構いるんじゃないでしょうか?

ある人は自称リペアマンにボジョワーを預けて大変なことになったと言ってました。

メーカーに預けてもきちんと直らないっていう人も結構います。
僕の経験だとオベ×××ンは酷かった。
直す気まるでなしで…新しい別のギターで返されました。

昔,某マー××ン系の人に聞いたところ,メーカーが直してなくて,さらに下請けに出しているということも言ってましたが,今でもそうなんでしょうか?

初めてアコギのリペアをしてもらいましたが,多少良くなれば程度の気持ちでした。
それが,ここまでできるとは驚きでした。
ネックリセット恐るべし。

ちなみに,リペアしてもらったのは有名な静岡の新岡ギターさんです。
メールでのやり取りのみでしたが良く対応していただけました。

D-28 [Martin]

この連休中皆様は何をなさっているのでしょうか?

サッカー天皇杯も始まり,観戦で忙しいとか。
仕事の残務整理とか。

ギターを持っている人は,この休み中にしばらく触ってないギターをケースから出して陰干ししたり,弦を張り直してみたり,ちょっとした調整なんかしている人が結構いるんじゃないでしょうか。

今回はキング・ニッパチことD-28です。

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1981年製。
個体数の少ない80年代物です。

一番は83年物との噂もありますが,概ね80年代前半のものは良いと思います。
後半のものは触ったことがないです…。
アコギが売れない時代だったので,職人がヒマだったからと言われてます。
本当でしょうか?

28の何が良いかというと,全ての基本がここにあるということではないでしょうか。

シンプルで飾り気がないデザイン
小さい音から大きい音までスムースなこと
ドスンという低音
レコードで聞いたことのある中高音
ギター全体の振動などなど…

すごいなあと思います。

有名なモデルですから,私が述べるべきことはほとんどないでしょう。

ところで,D-28については,結構弦高をベタベタに低くしている人もいますが,これは12Fで約3ミリ程度の弦高にしてあります。
この位の高さが鳴りと弾くことのバランスがいいように思うからです。
もうちょっと高くするともっと鳴るんでしょうが,弾きにくいです…。

低くすると弾きやすくなりますが,この鳴りはなくなりますね。
Dって,OOOやOMの音量不足を解消するという目的で設計されたギターですよね。
だから,こういうもんじゃないかなと思うと,このまま使おうという気持ちになります。

あるプロの人も「D-28は弾くのにパワーがいるんだ」と言ってました。
このテンションの問題ときちんと鳴らすのに力量がいるって事なんでしょうか。

さて,ご存知だと思いますが「マーティンD-28という伝説」という本があります。


マーティンD-28という伝説 (エイ文庫 (025))

マーティンD-28という伝説 (エイ文庫 (025))

  • 作者: ヴィンテージ・ギター編集部
  • 出版社/メーカー: エイ出版社
  • 発売日: 2003/03/10
  • メディア: 単行本



マーティン・ファンのみならず,全てのアコギ・ファンにとっては必携の1冊です。

しかし,こういう本読んでると,本当にギターバカっているんだなって感心しますね…
もちろん,こういう本を買う人も含めてですけど。

OM-28VR その1 [Martin]

マーティンのOM-28VR。

1997年ころ某楽器店に中古で出ていたものを買ったものです。
初めてのマーティンです。

その店にはコリングスのDもあって,どちらにしようか悩みましたが,結局このOMにしました。
今思えば,どちらを選んでも失敗ではありませんでした。
お金と勇気があれば2本とも…でした。

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このOMですが,トップ中央のつなぎ目にクラックが入ってしまい,リペアに出していました。
修復方法を尋ねたら,じっくりと加湿したり乾燥させたりして木を動かし,クラックを自然に閉じるように調整するとのことです。

修復には約半年かかりました。

修復は,やはり加湿等だけでは難しかったらしく,薄く塗装もしてきれいに修復したようです。
注意して見ると,他の部分とラッカーの乾燥度合い(木への浸透度)が違います。

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なぜ,クラックが入ったか?
第一の理由は乾燥のようです。

理想は湿度50%前後を維持することと言われますが,鉄筋コンクリート造のオフィスの場合,ちょっと気を抜くと湿度30%くらいまで乾燥します。
ひどいと20%を切ってたんじゃないでしょうか。
オフィスには大きめの加湿器があるんですけど,すぐに水切れになります。

次の理由は,弦を張りっぱなしにしたことにありそうです。

店員さんから「弾かないときは弦を緩めてください」と言われました。
半音下げて張っていて9年ほどは問題なかったんですけど。
これにオフィスの乾燥が加わったのが失敗かもしれません。

弾かない時に弦を緩めるのがいいかは議論がありますね。
個人的には,半音から一音程度緩めるのがベストではないかと思っています。
逆反りもしますから。

ただ,最近のモノはトップがすごく薄くて張りっぱなしにすると確実に腹が出てくるものもあるようです。
一般論ではなく,個体ごとにきちんと見極めることが必要なようです。

ところで,OMはDよりトップ材が薄いと言われています。
このVRやVはトップ材が通常より薄めに削られていて,とても鳴りが良い代わりに弱いようです。

OM28のブレーシング材は細めのものをさらに削ってあるんで,これにも原因があるかもです。

ドレッドノートだとD-35はブレーシングが細いんですが,店員さんの話だとこのVRはもっと細いという意見でした。

OMもDも,VRとVシリーズはトップに難点があるのは共通しているみたいです。

楽器店では,弦を緩めて展示していただけで,いつの間にかトップの継ぎ目にクラックが入っていた…という経験談を聴かせてもらいました。

鳴るためには,木を薄く細くするのが原則ですが,その代償として弱くなりますからメンテナンスには通常以上の知識と注意が必要になります。

逆に,ギターを量産しクレームを少なくするには,狂いにくく環境に強いギターを作る必要がありますから,トップは多少厚くして,ブレーシング材も厚めにして,塗装も厚めにして…
結果的に鳴らないギターという方向になりやすいのでしょうか。

これだけ考えても,安くて鳴るギターというのは成立しそうにない感じがします。

しかし,OMというモデルは形といい仕様といい音といい,本当に完成されていて手の加えようのないモデルだと思います。

「OOO」が好きな人は多いですが,私はフレット幅が若干大きくて(44.5mm)テンション感もあるOMが好きです。

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000-18/1974 [Martin]

ご存知,Martinの000-18です。 1974年物です。 いい感じに使い込んであり,ラッカーもツヤがなくなってきてトップ材のスプルースと一体化しつつあります。 これがラッカー塗装の特徴で「音が枯れてくる」という方向に向かっている状態です。 もう10年ほど使い込めば,しっかりと「ヴィンテージ」な音になって,ギターも僕も枯れたじいさん状態になっていくんでしょうね。

昔は「レコーディングは000,ライブはD(ドレッドノート)」と言われた事もありましたが,今はどうなんでしょう? エリック・クラプトンがアンプラグドで000を使って以来,ライブでも結構使われてるのを見ますね。 ところで,クラプトンがアンプラグドで使ったのはアンバー・カラーの1939年製000-42でしたが,マーティンは000-28ECを出して結構儲けちゃったんでしょうか(ただ,クラプトンは66年製の000-28を改造して42にしたものも持ってるらしいんで,そういう意味じゃ嘘じゃないかな?でも,これってどういう改造なのよ?)。
で,世間の000ブームの中でも,意外と地味でお値段的にもいまいち000バブルから遠いのが,この000-18でしょう。 でも,実はプロでも結構使われてるようです。 例えば,日本では,あのバカ売れ常連バンドB'zのTAK松本。アルバムバージョンのBad Communicationなんかわざわざ(000-18)とまで書いてますが(さすがギターバカです),その他のアルバムでも結構使用してます。 それに,中川イサト先生や長渕剛も持ってますね。
世間には「45がベスト」で「上位機種を買えない人は,しょうがなくて18」と誤解している人もいるようですが,全くの誤解です。 18は,サイド&バックがマホガニーですが,ローズウッドと比べると柔らかい木ですから,柔らかい音がしますし,高音が伸びやかできれいです。 つまり,まったく別の個性を持った楽器です(楽曲によって使い分けるのがベストでしょう。アルフィーの坂崎先生のように)。
ところで,60年代中期の000-18を使わせてもらった事がありますが,かなり使い込んだギターで,これはヴィンテージ入ってました。 スティール弦なのに鉄の音がほとんどしないんです。 つまり,本当に木が鳴っている音がしました。 これにはある種の感動がありました。 逆に,この間,小川町のHobo'sさんに行ったら「これどうですか?」って言われて,000-18GEを触らせてくれました。 「おぉ,エラだ!(GE=ゴールデン・エラ)アディロンだ!」って騒いで触ったんです。 外見的には「妙に黄色い+とってつけたようなネック」で「これマーティンなの?」って印象でしたが,新品なのにきちんと鳴ってて,内心「エラって,えらいね」とおやじかましてました(誤解なきように言いますけど,本当にいい音です。これで使い込んだらどうなるんでしょうね?)。 で,この74年は,70年代マーティンらしく,かちっとした感じがあります。
でも,こうやって000-18を比べて見ると,年代によって様々違うことが分かりますね。 まぁ,一口に000-18と言っても,トップ材が違ったり,トップの厚さが違ったり,ブレーシングが削ってあったり,その位置が前だったり後ろだったり…と違いがありますね。 ミスターOMと言われるショーンバーグ先生が00,000,OMばかり集めて,しまいには自分でギターまで作ってしまいましたが,その気持ちも分かってきますね。 だから,あと2つは年代の違う000-18が必要かなと思ったりします。


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マーティン信者の告白 [Martin]

初めて告白しますけど,僕はギブソンのJ-45を愛しています。
友人のワカも「俺たちはギブソン派だよ!」と「二人だけ」の時に言ってくれます。 もちろんワカはギブソン派で,ヴィンテージのJ-50を持っています。 ちなみに,J-45は発売当初の価額が45ドルで,J-50は50ドルだったからという安易な名前ですが,ギターの作りの大雑把さといい,ギターの「ぼそぼそ,ぷすぷす」っていう音とともに,ギブソンという会社がアコギに対して「結構おおらかな(?)気持ちで作ってたんじゃないの?」って気持ちにさせるものがあります。
ところで,僕は,ワカが二人だけの時(あるいは酔っぱらった時)にギブソン愛を語るのは理由があるとにらんでいます。 それは70年代にアコギを経験した者だけが分かる「マーティン信仰」です。 当時,子どもだった僕は,ヤマハが世界一のギターだと思っていたところ,友達が「すごいギターあるんだぜ。マーティンの D-28が世界一なんだぜ。」と教えてくれたのです。 それを聞いて「何で?プロの長渕だって,石川鷹彦先生だってヤマハだろ。アリスなんかモーリスだぜ。」と切り返したところ「バカだなあ。マーティン高いんだぜ。世界一だせ。長渕だってよう買えんわ!あの穴あいたジーンズ見てみい!」と言われて,何となく納得すると同時に「お前だってマーティンなんか見た事ないやんか」と突っ込みを入れるのも忘れない少年だった訳です。
そんな事言われて世間(あくまで田舎少年の世間は音楽雑誌限りである)をよく見ると,当時,国産物はマーティン・コピーの華やかしき時代で,ヘッドからボディまでマーティンそっくりのコピーだらけ。その上「プロ・・」なんていう本家マーティン以上の名前まで付けてる国産ものまであったのでした。 そんな状況の中,本物マーティンなんか拝むことなんか絶望的かつ不可能な田舎町にあって,どうするかと言うと,やっぱり情報は雑誌くらいです。 「どうも,鈴が鳴るような感じらしい」「鈴?何で?」「入れるならサウンド・ホールやろ?」とか,「ドレッドノートって形らしい」「何それ?」「軍艦らしいな」「・・でかいんか?」とかバカな想像ばかりが肥大化し,よく分からないけど「とてつもなく高くてでかいギター」として神格化させてしまうんです。 10代前半にこのような刷り込みをされた結果,「マーティン」と聞くだけで二礼三拍するような人格が形成されてしまうわけで,きっとワカもそのような道を歩んできたはずです。
だから,こういう道を歩んできた人は「マーティン」と言えば神器の事であり,C.F.Martinと言えば神です。そういう刷り込みをされた者は,なかなか人前でマーティンより良いギターの話を大声でできません。話の終わりの方で,付け足し程度に「ギブソンもいいけどね・・」と独り言のように言って満足する始末です。
しかし,ブログ立ち上げにあたって,大きな声(大きな字,かな?)で言いたい。ギブソンのJ-45が好きだと。サスティンなくても,ぷすぷすの音でも,いい加減な感じの作りでも,ギター下手でも何となくそれなりに聞こえそうな,あのいい加減さを愛していると。
でも「じゃあ,ギブソンだけで十分だろうな」と言われても困ります。もちろん僕もワカもマーティン持ってますよ。 え?何でかって? だってマーティン信仰に洗脳されてますから。


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