000-18/1974 [Martin]
ご存知,Martinの000-18です。
1974年物です。
いい感じに使い込んであり,ラッカーもツヤがなくなってきてトップ材のスプルースと一体化しつつあります。
これがラッカー塗装の特徴で「音が枯れてくる」という方向に向かっている状態です。
もう10年ほど使い込めば,しっかりと「ヴィンテージ」な音になって,ギターも僕も枯れたじいさん状態になっていくんでしょうね。
昔は「レコーディングは000,ライブはD(ドレッドノート)」と言われた事もありましたが,今はどうなんでしょう?
エリック・クラプトンがアンプラグドで000を使って以来,ライブでも結構使われてるのを見ますね。
ところで,クラプトンがアンプラグドで使ったのはアンバー・カラーの1939年製000-42でしたが,マーティンは000-28ECを出して結構儲けちゃったんでしょうか(ただ,クラプトンは66年製の000-28を改造して42にしたものも持ってるらしいんで,そういう意味じゃ嘘じゃないかな?でも,これってどういう改造なのよ?)。
で,世間の000ブームの中でも,意外と地味でお値段的にもいまいち000バブルから遠いのが,この000-18でしょう。
でも,実はプロでも結構使われてるようです。
例えば,日本では,あのバカ売れ常連バンドB'zのTAK松本。アルバムバージョンのBad Communicationなんかわざわざ(000-18)とまで書いてますが(さすがギターバカです),その他のアルバムでも結構使用してます。
それに,中川イサト先生や長渕剛も持ってますね。
世間には「45がベスト」で「上位機種を買えない人は,しょうがなくて18」と誤解している人もいるようですが,全くの誤解です。
18は,サイド&バックがマホガニーですが,ローズウッドと比べると柔らかい木ですから,柔らかい音がしますし,高音が伸びやかできれいです。
つまり,まったく別の個性を持った楽器です(楽曲によって使い分けるのがベストでしょう。アルフィーの坂崎先生のように)。
ところで,60年代中期の000-18を使わせてもらった事がありますが,かなり使い込んだギターで,これはヴィンテージ入ってました。
スティール弦なのに鉄の音がほとんどしないんです。
つまり,本当に木が鳴っている音がしました。
これにはある種の感動がありました。
逆に,この間,小川町のHobo'sさんに行ったら「これどうですか?」って言われて,000-18GEを触らせてくれました。
「おぉ,エラだ!(GE=ゴールデン・エラ)アディロンだ!」って騒いで触ったんです。
外見的には「妙に黄色い+とってつけたようなネック」で「これマーティンなの?」って印象でしたが,新品なのにきちんと鳴ってて,内心「エラって,えらいね」とおやじかましてました(誤解なきように言いますけど,本当にいい音です。これで使い込んだらどうなるんでしょうね?)。
で,この74年は,70年代マーティンらしく,かちっとした感じがあります。
でも,こうやって000-18を比べて見ると,年代によって様々違うことが分かりますね。
まぁ,一口に000-18と言っても,トップ材が違ったり,トップの厚さが違ったり,ブレーシングが削ってあったり,その位置が前だったり後ろだったり…と違いがありますね。
ミスターOMと言われるショーンバーグ先生が00,000,OMばかり集めて,しまいには自分でギターまで作ってしまいましたが,その気持ちも分かってきますね。
だから,あと2つは年代の違う000-18が必要かなと思ったりします。
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