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Bourgeois DS-260 [Luthier]

DSと言えば,ニンテンドーを連想します。
しかし今回のDSはDana Bourgeoisのギターです。

発音が難しいです。
聞く通りに書くと「デーナ・ボジョゥワー」ですが日本では「ダナ・ボジョワー」と表記されてます。
フランス系移民なんでしょうか?

081012_1607~01.jpg

ボジョワーは,ショーンバーグやポールリードスミスでの仕事が有名です。
2004年には受賞もあったので知っている人は多いと思います。
が,日本ではまだ正当な評価がされていないような気がします。

ネックがボルト・オン
塗装がラッカーのみでない
塗装に白濁が出る
地味,などなど。

コリングスもボルトオンネックだし
ラリビーやマーティンだってラッカーのみの塗装じゃない。

木が安定するのに10年以上かかるとすれば,ギターはその都度修正しながら使うので,ボルト・オン・ネックは理想的と思います。

また,氷点下に達する時間が長い環境ではラッカーは割れてしまうので,ポートランドのような寒いところではラッカーのみはキツイでしょう。ある楽器屋さんの話だと,北海道のお客さんがマーティンを買って一冬越したら塗装がバリバリに割れてリペアに来たそうです。

塗装の話をしてしまうと長い話になります。
私はラッカーの良さは全肯定します。
が「ラッカー以外は認めない」という意見には反対です。

このDS-260ですが,マーティンのD-28Sを基本にしたモデルじゃないでしょうか?
12Fジョイント,スロッテッド・ヘッド,トップはスプルース,サイド&バックはインディアン・ローズウッドです。

これでトップにアディロンダックを使ったモデルもあったそうです。
ちなみにブレイシングにはアディロンダックを使っているそうです。

081012_1606~01.jpg

音の方は,一言でいえば外見どおり「美しい音」です。
以前にレコードで聞いたことのあるようなデジャヴな音。

インタビューによればボジョワーギターは「現代の素材を使って昔(戦前のマーティン)の音が出るような設計」「サンタクルーズとコリングスの中間の音」だそうです。

私には違いがよく分かりません。
DSは「儚い」と思うくらいに柔らかく美しい音です。
12F&イングルマン&スロットヘッドによるのでしょうか。
でも強く弾いてもびくともしない強さも感じます。
まだ弾き込まれてないので「若さ」も感じもします。

それからルシアー物だけに音に個性があると思います。
楽器屋でOMカッタウエイも弾かせてもらいました。
何となく軽い印象やボジョワー的なタッチと音がします。
そこに好き嫌いが分かれるかも知れません。

12Fジョイントのギターについては面白い企画(ギター弾き比べ)がアコースティック・ギター・ブック6に出ています。
DS-260も出てますしコリングス0002Hも出てます。

最後にこのギターは正規輸入品ではないんです。
アメリカのバイヤーがアメリカで買い付けてきたものを買ったんです。
そうするとリペアが心配ですが,ある楽器屋にリペアを約束してもらいました。
楽器は生きた道具ですから,必ず修理屋さんと仲良くすべきです。

そう言えばギター修理にハマっているマジシャンMさん。
「ギター職人じゃ食っていけない」と言わずリペア屋になってくれるとありがたいんですけどね。

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なか さん

どうも。ボージョアギターのことを調べているうちにここにたどり着きました。

DS-260を実際に触ったことがあります。 ご購入の経緯がわかりませんが、シリアルナンバーと製造年のことはおわかりになりますか?

国内正規ルートではないということなので英文でも資料となるのがあればなあ・・・なんて思いました。

ただ、私の知る限り、神田商会が扱ったDS-260はトップはアディロンダックだけだったはずです。  90年代のボージョアは一部を除きトップとブレースはアディロンというゼイタクな組みあわせを基本としていました。

何かボージョアについてご存知ならばお知らせくださいませ。 シリアル900番台のDタイプを持っているのですが記念の年のものかどうかが知りたくていろいろ調べています。

どうぞよろしくお願いいたします。
by なか さん (2008-10-24 22:01) 

gino

コメントありがとうございます。忙しくて更新もせずチェックもせずですみません。
このDSのシリアルは400番台です。製造年は正直不明です。現在260は製造していないと思いますが,いつ頃まで製造されたかも僕は知りません。これを扱った人もよく分からないようです・・。ボジョワーは実はいろんな試験的なモデルもあって,10本程度しか作らなかったモデルなどもあって,ルシアーらしく面白い工場です。
日本で評価があまり出ないのは,新品の時の音が軽いのと塗装にあると思います。それと若干アーチがかったトップが気になる人もいるんでしょう。また,マーティン・ファンにとっては独自色を出し過ぎてマーティンと別物になっているのが不人気の原因だと思います。
それから,ショーンバーグ,ジュリアス・ボージェス,ボジョアは同じ系列のルシアーで兄弟のようなギターですが,意外と2者と比べて安いのも不人気の原因かもしれませんね。僕は,落ち着いたデザイン,可憐でありつつ弱々しくない音,アイディアと信念を持って製作している姿勢や,マーティン・コピー一辺倒でないところが好きです。
また,時間を作ってボジョアを書こうと思いますので,また訪問してください!
by gino (2008-11-15 23:46) 

よしだ

初めまして、よしだと申します。
DS-260で検索して辿りつきました。
先日このギターを入手しまして、状態が悪いのをリペアしております。(仕事ではありません。趣味のリペアです。)
このギター、腹が随分出ているのですが、それが初期状態とどの程度違うのか測りかねております。
上のレスでトップにアーチがかかっているとのことなんですが、ブリッジのエンド側に定規を置いて、端に5ミリほどの隙間ができるのですが、これは正常な状態でしょうか?
サドルは3ミリ強残った状態で、6弦12Fで弦高3ミリ強なので正常とも思うのですが、どうでしょうか?
読まれるかどうか分かりませんが、ご教示いただくと大変助かります。m(_ _)m
by よしだ (2010-08-12 22:33) 

gino

よしださん,コメントありがとうございます。
まず「ブリッジのエンド側に定規を置いて端に5ミリほどの間隔」とのことですが,僕の260もその位です。購入した時からこの程度でした。次に「サドル3ミリ」ということは一度サドルを削ったんでしょうか?そして「6弦12Fで3ミリ強」の弦高とのことですが,僕のは4ミリ位です。
状態を見ないと何とも言えませんが,少なくとも一度はいじっているんでしょうね。チューニングなどに不具合がなければ,概ね正常の範囲内ではないでしょうか?実は,僕は音や操作性に問題がなければ気にしないタイプなんで・・リペアをする人にとって,あまり僕の言うことは参考にならないかも知れません。
ちなみに,ある本では「アーチド・フラット・トップ」と書いてありましたが,これはその人の造語かも知れません。ボジョワーギターが少しアーチドなのは,音の厚みとか,強めに弾くことと関係があるのかも知れませんし,ギブソンスタイルのアーチドトップギターを製作していることとも関連があるのかも知れません。
この程度ですが,参考になるでしょうか?
by gino (2010-08-15 18:54) 

よしだ

ご回答ありがとうございます。
トップを少しだけ矯正しようと思って質問したのですが、やってみたら大失敗しました。
トップ板がパックり開いてしまいました。^^;

原因は究明中ですが、複合的な要因が重なったようです。
少し様子を見て手をつけたいと思っています。m(_ _)m
by よしだ (2010-08-17 20:16) 

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